次世代分子構造太陽電池の研究・開発
結晶シリコンを用いる太陽電池以外の多くが、光起電力を発生する部分の膜厚が10μ以下の薄膜太陽電池であり、分子構造太陽電池と見なすことができます。特に有機薄膜太陽電池、バルクへテロジャンクション型ポリマー太陽電池、色素増感太陽電池において、色素を含む界面分子層は、分子軌道に基づく構造を有していなければならず、すぐれた分子構造太陽電池の界面は分子軌道計算によるmodeling(解析)とsimulation(予想)が重要です。太陽電池の“三つの矢“、コスト、効率、信頼性を実現すべく、次世代分子構造太陽電池の研究・開発に必要な界面化学構造の理解と予測を追求することは、太陽電池研究者の関心事であります。界面分子構造を理論的に解明することにより、IV特性におけるVoc, Jsc, fill factorの増大に寄与します。その具体事例を紹介します。
- 色素増感酸化チタン太陽電池のチタン結晶界面の重要性(pdf file 1、 pdf file 2)
- 高濃度ヨウ素を含むイオン液体電解質のヨウ化物の分子構造(pdf file 3)
- ハイブリッド型分子構造太陽電池の色素・チャージキャリアー界面構造(pdf file 4)
- “Angewandt Chemie”125周年記念シンポジウムに出席してーRoald Hoffmannの分子軌道概念と分子構造太陽電池(pdf file 5)
電子移動が関わる界面化学プロセス解析
これまで手がけてきた、有機反応、錯体化学の研究、太陽エネルギーの化学的変換・貯蔵の研究、強発光希土類錯体に関する化学、マイクロ波エネルギー化学、太陽電池の研究・開発を概観すると、すべて分子界面の電子移動プロセスから構成されていると捉えることができます。分子軌道による解析において、フロンティア軌道法と密度汎関数理論にもとづくコンピューターケミストリーが有用であることに着眼、WAVEFUNCTION社のsoftware、 “Spartan”を駆使し、触媒化学反応プロセスの解明・予測、光・電子機能発現の最適分子界面を密度汎関数法(DFT)で解析・構築を学びます。
なお,2013年日本化学会春季大会でWAVEFUNCTION社のsoftware, “Spartan”を開発されたWarren J. Hehre博士の講演のyutubeを紹介します。
“Molecular Modeling in the Mobile Age: In the Steps of John Pople”(UC, Irvine,)Warren J. Hehre)
(Part1)Yanagida’sintroduction
(Part2)History of QM How to choose models and IR
(Part3) http://www.youtube.com/watch?v=mr26Pl8qWOo&feature=youtu.be
(Part4) Mobile device kinetics excuse and learning curve